コラム, 学習について

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小、中学生の睡眠時間と学習成果について

小、中学生の睡眠時間と学習成果について

はじめに

みなさん、ぐっすり眠れていますか?

眠ることは、勉強したり運動したりする上で、とても大切なことなのです。

睡眠は、体を休め、エネルギーを取り戻すだけでなく、脳の働きを整え、1日の経験や学んだことを記憶に定着させる大切な役割があります。十分な睡眠が取れていないと、脳がだるくなり、集中力が低下してしまいます。そうなれば、授業の内容が頭に入ってこなかったり、宿題や勉強に集中できなくなってしまいます。

睡眠は、皆さんの健康な成長にとても大切なのです。例えば、睡眠不足が続くと、食欲が低下したり、風邪を引きやすくなったりと、体調を崩しやすくなります。十分な睡眠を取ることで、脳も体も十分に休まり、リフレッシュされるのです。

この小冊子では、睡眠が子どもの学習にどのように影響するのか、また、どうすれば良質な睡眠が取れるようになるのかをわかりやすく解説していきます。皆さんが、睡眠の大切さを理解し、学校生活をより有意義に過ごせるようになることを願っています。

睡眠と脳の発達

私たちの脳は、睡眠中に大切な役割を果たしています。睡眠不足だと、脳がうまく機能しなくなってしまうのです。

睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2つの段階があります。ノンレム睡眠の間、脳は休息し、エネルギーを蓄えます。一方、レム睡眠の間には、夢を見たり、OverNightという現象が起こり、前日に学んだことが記憶に定着していきます。

特に深い睡眠(ノンレム睡眠の最深部)は、成長ホルモンの分泌を促して、体の成長を助けます。また、脳の発達にも重要な役割を果たしています。この時期に十分な睡眠が取れないと、脳の発達が適切に進まず、知能の発達にも影響が出てしまう可能性があります。

睡眠中は、脳の神経細胞がエネルギーを蓄え、神経伝達物質のバランスが整えられます。十分な睡眠を取ることで、脳がリフレッシュされ、学習意欲や集中力が高まるのです。

一方で、睡眠不足が続くと、ストレスホルモンの分泌が高まり、神経伝達物質のバランスが崩れてしまいます。すると、イライラしやすくなったり、注意力が散漫になったりと、学習活動に支障が出がちになります。

このように、睡眠は私たちの脳の健全な発達にとって、なくてはならないものなのです。

睡眠不足の影響

睡眠不足が続くと、様々な悪影響が出てきます。特に、集中力の低下や免疫力の低下は、学習活動に大きな支障をきたします。

【集中力の低下】

脳が十分に休息できないと、新しい情報を受け入れる力や、それを記憶に残す力が低下します。授業中に先生の説明や板書の内容が頭に入ってこなかったり、家で宿題や勉強に集中できなくなったりします。

睡眠不足は注意力散漫の一因にもなります。些細なことに気が散りやすくなり、作業のミスが増えがちです。長時間の集中力が続かず、学習効率が下がってしまうのです。

【ストレス耐性の低下】

睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、ストレスに弱くなる原因にもなります。小さなことでイライラしてしまったり、失敗を重んじすぎてしまったりと、感情のコントロールが難しくなります。

ストレスがたまると、さらに睡眠の質が低下する負のサイクルにはまってしまいます。しっかりと休息を取ることで、ストレスに強くなれるのです。

【免疫力の低下】

睡眠は体の修復にも関係しています。睡眠不足が続くと、免疫力が低下し、風邪を引きやすくなったり、病気にかかりやすくなったりします。体調を崩せば、当然ながら学習活動にも支障が出てしまいます。

このように、睡眠不足は様々な悪影響をもたらし、学習効率を下げてしまうのです。十分な睡眠を取ることが、健やかな成長と学習活動に欠かせません。

良質な睡眠を確保するために

十分な睡眠を取るためには、睡眠時間を確保することが何より大切です。また、睡眠の質を高める工夫も必要不可欠です。

【適切な睡眠時間を確保する】

年齢によって、必要な睡眠時間は変わってきます。中学生では810時間、小学生では911時間の睡眠が推奨されています。睡眠不足だと勉強に差し支えるだけでなく、体の発育にも悪影響が出るので注意が必要です。

就寝時間と起床時間を一定に保ち、規則正しい生活リズムを作ることが大切です。週末などに生活リズムが乱れがちですが、できるだけ朝晩の時間を一定に保ちましょう。

【就寝前のルーティンを作る】

よく眠れるかどうかは、就寝前の過ごし方が大きく影響します。就寝の1~2時間前にはスマートフォンやゲーム、テレビを控え、入浴や軽い運動、読書などをして、徐々に休息モードへと切り替えましょう。

就寝前に興奮したり怖い映像を見たりすると、なかなか眠れなくなります。自分なりの就寝前のルーティンを決め、規則正しく実行することで、質の良い睡眠が取れるようになります。

【睡眠環境を整備する】

眠りを妨げる要因をなくすことも大切です。照明や音、温度など、居室の環境を調整しましょう。冷暖房を適切に使って温度を調節したり、カーテンで光を遮ったり、雑音を避けるなどの工夫をするとよいでしょう。

また、寝具も大切です。ベッドやマットレス、布団などで、自分に合ったものを使うことで、よりリラックスした睡眠を取ることができます。

このように、生活リズムの工夫と居住環境の整備によって、質の良い睡眠を確保することができるのです。

睡眠習慣を改善するヒント

良質な睡眠を確保するためには、生活習慣の見直しが欠かせません。以下のようなポイントを意識して、睡眠習慣を改善していきましょう。

【規則正しい生活リズム】

睡眠のリズムを整えるには、生活そのものの規則性が重要です。学校の日は就寝時間を8時頃に設定し、土日も大きくずれないよう心がけましょう。起床時間も一定にして、睡眠サイクルを整えることが大切です。

規則正しい生活は、体内時計を整える働きもあります。生活が不規則になると、睡眠障害につながる恐れがあります。

【適度な運動を心がける】

運動不足は睡眠の質を下げる一因となります。運動により体を動かすことで、睡眠ホルモンの分泌が促され、よく眠れるようになります。

ただし、就寝直前の激しい運動は眠りを妨げるので注意が必要です。運動を終えた後は、入浴などで体を冷やしてからゆっくり休むようにしましょう。

【デジタル機器の使用を控える】

スマートフォンやゲームなど、デジタル機器の使用が夜遅くまで続くと、睡眠のリズムを乱してしまいます。特に、ブルーライトが睡眠を阻害する作用があるといわれています。

夜間はデジタル機器の使用を極力控え、目を酷使しないよう気をつけましょう。就寝2時間前からはスマホを手放し、読書やストレッチなどでリラックスするのがよいでしょう。

【バランスの良い食生活】

睡眠の質は食生活とも深く関係しています。夜遅くの食事や脂っこい食べ物、睡眠を妨げる可能性のある飲み物(コーヒー、紅茶、コーラなど)は避けましょう。

反対に、牛乳や小魚、緑黄色野菜などにはトリプトファンやビタミンB群が豊富で睡眠を促すので、積極的に取り入れるとよいでしょう。

このように、生活習慣の改善により、質の高い睡眠を得ることができます。睡眠は健康で活力に満ちた学習活動にとって、極めて重要なのです。

まとめ

ここまでは、睡眠が子どもの学習活動にどのような影響を与えるのか、そして良質な睡眠を確保するにはどうすればよいかを解説してきました。

睡眠は私たちの健康な成長に欠かせません。十分な睡眠が取れないと、脳の発達が阻害されたり、免疫力が低下したりと、様々な悪影響が出てきます。特に、注意力や集中力の低下は、学習活動に大きなマイナスをもたらします。

一方で、良質な睡眠を十分に取ることで、脳がリフレッシュされ、新しい知識を効率よく吸収できるようになります。睡眠中に脳は整理されて記憶の定着が進むため、学習意欲や集中力も高まるのです。

良質な睡眠を確保するためには、まず適切な睡眠時間を確保することが何より大切です。そして、生活リズムの改善、運動の習慣化、デジタル機器の適切な使用などの工夫で、睡眠の質もさらに向上させることができます。

眠ることは学習においても、健康な生活においても、極めて重要な役割を果たしています。皆さん一人ひとりが、睡眠の大切さを理解し、実践に移すことで、有意義な学校生活を送れるようになると期待しています。

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